こんにちは。今回は「特色検査」の対策についていくつかお話をしようと思います。
1.特色検査とは
ご存知の方も多いと思いますが、特色検査(自己表現)を実施する高校が、次回令和2年2月入試より増加します。通学圏の学校では、多摩・川和・大和・相模原などの、いわゆる「旧学区トップ校」の多くが該当します。これらの学校はみな「学力向上進学重点校およびそのエントリー校」です。
この「学力向上進学重点校」なる制度は、結構前から制度としては存在していたのですが、正直有名無実化、つけられる予算も人員も限定的で効果のほどは…という状況でした。
そこで、2016年に制度を一旦リセットし、新たに指定を受けたい学校を募集し、名乗りを上げた学校のうち2017年より「横浜翠嵐高校」「湘南高校」、2018年より「厚木高校」「柏陽高校」を「学力向上進学重点校」に指定し、多摩高校その他13の高校は「エントリー校」という状況です。
以上の17校の中でも、「特色検査」については実施・不実施が分かれていましたが、令和2年2月の入試より、これら全ての学校で「特色検査」が実施されるとなったわけです。
さて、従前の特色検査は、各学校がそれぞれオリジナルの問題を用意するのでその傾向も「学校ごと」に大きく異なりました。よって対策法も学校ごとに異なってくるため、「学校ごと」の対策が必要でした。
しかし平成31年2月入試から、特色検査問題の共通化が始まり、数題の「共通問題」と学校ごとに選択する「共通選択問題」という問題構成になりました。その概要は以下の通りです。
問1 (共通問題) |
英文読解問題
第一言語として使う人数の多い言語についての資料を含めた英会話文。設問は5問で、空欄補充、語順整序、要約文の並べ替えなど。学力検査問題の英語読解をやや難しくしたレベルであるが、受験生のレベルを考慮すればここでは落とせない。 |
問2 (共通問題) |
文章読解(教科横断型)
学問のあり方や科学の歴史についての文章が3つ。1つは「常識からの解放」、残りの2つは「科学の歴史」についての文章。設問は5問で、段落分けや内容理解を問う国語的要素の強い問題のほか、天体や空間図形に関する問題も含まれた。こちらも難易度としては比較的易しめ。 |
問3・問4 (共通選択問題) |
以下の4つの問題の中から、学校ごとに2題を選択。
①パズル型の小問集合 立体の展開図・円盤を動かすパズル・数字パズル・論理パズルの計4問。それぞれ の難易度は標準~やや易しめ。 ②音楽をテーマにした教科横断型問題 「メロディーロード」を題材に、社会・音楽の知識も問われた。難易度は高め。 ③保健体育をテーマにした問題 「感染症」「治験」「救命処置」などの知識と共に、プログラミングで用いられる フローチャートに関する問題が出題された。難易度はやや高め。 ④貿易をテーマにした問題 社会でよく出題される「グラフの読み取り」をベースに、栄養素に関する家庭科の 知識や関税の意味などが出題。要求される計算が少々面倒だが、難易度はそこまで 高くない。 |
2.傾向とその対策
①5科(9科)の学力アップが最優先
前提として、5科(厳密には9科)の学習をしっかりやることが第一です。当たり前ですが、「特色検査」というプレッシャーに押されて、やるべきことを見失ってはいけません。共通問題で出された英文読解問題や文章読解問題、それに教科横断型問題で問われているものは何も特別なものではありません。ただ、これまでの学力検査で聞かれたことがないから特別に見えるだけ、ともいえます。
②取れる問題を確実に正解し、点数を集めていく
そうはいっても、学力検査の問題より難易度は高く、処理能力が問われます。できる問題を確実に取ることが重要です。逆に言えば、取れない問題は取れませんし、取れたとしても時間がかかってしまう問題は、取り組む順番に十分気を付けなければなりません。試験の時にはそういった「判断力・対応力」が問われるのです。
当然、過去問や模試で練習を行いますが、「取るべき問題か捨てるべき問題かの見極めが正しかったか」「問題を解く順番は正しかったか」「時間配分は適切だったか」など、制限時間内での自分の「動き方」を検証しましょう。その上では、模擬試験での正解率などはかなり有用なデータとなるでしょう。
③注意が必要な場合
(1)学力向上進学重点校
湘南・横浜翠嵐・柏陽・厚木の4校の受験生にとっては、ある意味特色検査も「落とせない問題」になるでしょう。特色検査実施校の中でも、偏差値にしておよそ10ぐらいの幅があります。仮に、その真ん中に照準を合わせて問題を作ったとしたら、上位校の受験生にとってその問題は「簡単」になる可能性が高いわけです。
(2)特色検査の比率が高い学校
横浜翠嵐・厚木・柏陽・多摩の4校は、特色検査の比率が「2」に設定されています。(第一次選考)当然、これらの学校では特色検査による逆転も生じやすいという事です。
3.多摩英数の特色検査対策
多摩英数では「通常授業の中に」※特色検査対策の時間を組み込んでいます。したがって特別な講座を受講しなくても、特色検査対策が受けられるのです。特色検査に不安がある方も、安心して多摩英数の授業にご参加ください。
※実施は月に2回程度(講習期・直前期は除く)